ロードバイク好きの教員日記

ロードバイク好きのおっさんが、日々の徒然を語ります

私立学校初任者研修

現在、8月のこの時期は中学生、高校生は夏休み中です。生徒たちは、部活に、塾に、遊びにと様々な過ごし方をしていると思います。公立校の場合であれば、教員は出勤して部活の指導に当たったり、各地での様々な研修に参加したりするようです。
 
ところが、私立学校の場合はそうではありません。通常授業があったり、補習授業があったり、夏期講習があったりで生徒が登校してきます。 部活の指導もしなければいけません。学校によって様々ですが、「研修」に参加するどころか、通常運転です。そうした中、私立校の、特に若手教員を対象としてきっちりと研修を行っていこうという試みが毎年あります。うちの学校では、毎年二人ずつ、そうした研修に参加させていただいています。今年はボクが参加させてもらいました(個人的には、駿台の教員セミナーなどには参加していますが)。
 
研修の主な内容は以下の通りでした。
 
1)「私立」学校の持つ役割
2)危機管理(特に地震)について
3)アクティブラーニングの指導事例紹介
4)グループ討論
 
1)「私立」学校の持つ役割
公立校と「私立」校は異なります。公立校になくて、「私立」校にだけあるもの、それは「建学の精神」です。教員歴の浅い人間は、様々な教育の「流行」に左右されるかも知れません。そうした時こそ、右往左往するのではなく、「建学の精神」に立ち返って自分は何をするべきなのかを考えるべきだということでした。
 
…ヤバイ、知らない…
 
というのが、恥ずかしながら、第一印象です(帰宅してから、早速我が校の「建学の精神」を確認しました)。
 
2)危機管理(特に地震)について
地震を研究している大学の先生に来ていただき、地震及び津波が起こった時の様々なシミュレーションを紹介していただきました。
 
3)アクティブラーニングの指導事例紹介
ボクが一番楽しみにしていたのが、こちらです。国語の教員であり、図書館司書も兼ねている先生が、アクティブラーニングを授業でどのように取り入れているのかという紹介をしてくださいました。
 
例えば、
 
・社会科との科目横断による新聞作成
 古文で「地震」に関する文章を取り上げます。社会科の先生に協力していただき、授業で阪神大震災について扱ってもらいます(知識として教えてもらったり、図書館を利用して当時の新聞を読んだりします。ボクたちにとって阪神大震災は身近なことですが、生徒たちは、震災後に生まれた子たちばかりで、知識としてしか知らない世代です)。その上で、もしその時代に新聞があったとすると、古文で扱った文章での「地震」はどのように報道されるか、新聞を作るというグループワークをします。
 
・「無常観」をJポップスで語る
 平家物語などで「無常観」を学習し、辞書的な意味も確認します。その上で、「無常観」の影響を受けているJポップスをグループワークで探します。そして、それらの歌詞やどのように影響を受けているかを発表します。
 
どちらも「古文」という、生徒たちの生活に全く入り込みそうもない科目を、どのようにして生徒の身体を通すのかを考え抜かれた指導方法でした。
 
その他にも、大学の先生がいらっしゃって、アクティブラーニングの本質はどこにあるのか、共同で作業をするということにはどういった価値があるのか、などワークショップを通じて教えていただき、本当に為になりました。
 
4)グループ討論
6つのグループに分かれて、新任教員ならではの悩みを共有し、その解決方法を模索するというものでした。新任教員だけで話をするのではありません。相談役として、各グループに二人の管理職の先生がついてくださいます。ボクの所属するグループでは、相談役の先生が、満遍なく発言の機会を与えてくださったり、適切なアドバイスをしてくださいました。アクティブラーニングを教えなければいけない教員が、全くアクティブじゃあないんですよね。「知識がない」というものありますが。そうした中で、相談役の先生方の存在はかなりありがたかったです。
 
そして、最後の時間に、どのような討論が行われたのかを発表します。新任教員の6グループですから、似通った内容と形式になるんだろうなと思っていたら、それぞれ全く異なった内容と形式でした。
 
一泊二日の研修でしたが、他の私立校の先生方と活発な話をすることができ、大変有意義な時間でした。そして、ボクは研修後、大阪南港へ…とびしま〜さざなみ〜しまなみ海道自転車旅行の始まりです。