シン・ゴジラ観てきました その2 ファーストコンタクト
さて、シン・ゴジラです。賛否両論があるかもしれないですが、ボクはこの作品がすごく良かったと思います。これから書くのは、全面肯定派としての意見です(ゴジラシリーズは、第1作目くらいしか見ていません。ビオランテも見た記憶だけあります。平成ガメラシリーズはそれぞれ2回程度観ました。その程度の経験値の人間の意見です)。以下、ネタバレになるので、ご注意ください。
かつて、ある人が言っていました。
「本当に面白い作品の筋は、簡単に話せるものだ」
今回の、シン・ゴジラなら、
というだけのもの。本当にシンプルです。しかも、ハリウッドでのシナリオ作りなどで紹介されている、「主人公と敵役は3度出会う」というプロットも用いられています。そのプロットは、
1)一度目の遭遇。
単に主人公と敵役が出会う。あくまでも出会うだけで、勝敗はつかない
2)二度目の遭遇。
主人公が敵役に完膚なきまでに負ける。
3)三度目の遭遇。
敗北から立ち直った主人公が、敵役を倒す。
3)ルパンが仲間の助けを借りて、公爵と対決して勝利する。
という流れ。今回の『シン・ゴジラ』に当てはめると、
1)日本が、ゴジラと出会う。
2)日本が、アメリカの協力を得てゴジラと戦うが、壊滅的打撃を受ける。
3)新たに組閣された日本政府が、新たな対策を講じて、ゴジラを倒す。
という流れです。まず驚くのは、「1)日本が、ゴジラと出会う」シーン。閣僚たちのしゃべりがかなり速いです。セリフの全てを理解させようとすると、もっとゆっくりしゃべることもできたでしょう。けれど、あの内容を観客に「理解」してもらったところで、怪獣映画、パニック映画のテンポは台無しになってしまいます。「リアリティを持たせる」という効果、「テンポよく進める」という効果において、あの会議の進め方は素晴らしかったと思います。
さらに、日本とゴジラとの出会いかた。
いわゆる第一形態は、ゴジラとは似ても似つかない形です。全く前情報のなかったボクは、
「え? またこの怪獣と、後からやってくるゴジラの対決ものなの?」
と思ったものです。見事なミスリードです(騙されたのは、ボクだけでしょうか?)。しかも、ゴジラの上陸の仕方があまりにもリアルです。船や車がどんどん折り重なっていくその姿。壊滅していく東京の姿に恐怖を覚えました。映像であれだけの被害を見せておきながら、劇中の報道番組では「行方不明者は100名」というセリフが流れます(不謹慎ながら、極めて絶妙でリアリティがある数字です)。こうしたことの積み重ねでシンゴジラという作品は出来上がっていっているんだなと。
2)以降はまた改めて書きたいと思います。